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2020/06/15 SAS関連

自分の市場価値を高める

自分の市場価値を高める

こんにちは。”NIの不沈艦”PVMです。

今回はエンジニアとして個人の市場価値を高めるための戦略について、お伝えしたいと思います。
ただ、最初に言っておくと、最もわかりやすいのは「好きこそ物の上手なれ」のような<ありのまま戦略>
だと思います。

結局、自分が興味関心があること・好きなこと・得意なことをとことんまでやる、これが一番シンプルで
無理がないので、このスタイルで問題なく過ごせているのであればかえって戦略など意識することも
ないかと思います。
また、既に自分の戦略を確立しているという方もあえて変える必要もないかと思います。

ですが、中には「自分にはこれといった武器がない」「何も磨けばいいのかわからない」
「特にやりたいこともない」「自分でも目指す方向性がよくわからない」など、
悩みをお持ちの方もいるかと思います。
そんな方に向けて、いくつかの個人戦略についてあくまで独断と偏見とささやかな実体験に
基づいてご紹介します。

差別化戦略 ~違いで勝負~

例えば、会社経営などビジネスシーンでよく用いられる用語で「ブルーオーシャン戦略」
という言葉があります。
ブルーオーシャンとは、「競合相手のいない未開拓の市場、分野」といった意味で、
大手企業なども含めて競合相手も多く、競争の激しい分野(レッドオーシャン)で差別化を図るよりも、
競合相手がいない分野で勝負をすれば、結果を出しやすいという考え方に基づいた戦略です。

では、このブルーオーシャン戦略の根底にもある<差別化戦略>を個人(特にエンジニア)レベルで
あてはめてみると、どうなるでしょうか。いくつかの例を挙げてみます。

①他のエンジニアのやりたがらないことで勝負する
②スキルの組み合わせで勝負する
③一見スキルに思えないことで勝負する

①については、例えばテスト全般のスキルです。多くのエンジニアはプログラミングを中心とした
モノ作りが好きなので、プログラミングスキルの習得に取り組む人は数多くいますが、それに比べると
テストスキルのアップについて本気で取り組む人はあまり多くはありません。
(そもそもテスト好きな人には出会ったことないですw)
ですが、これをチャンスと考え、テストに力を入れ人より高いテスト力を身につけることができれば、
品質面で他者との差別化を図ることも可能です。
また、教育(OJT)やマネジメントについても、そこまで多くのエンジニアが優先的にスキルアップを
狙うジャンルではないので、これらのスキルアップに本気で取り組めば差別化を図ることも可能です。

②については、スキル単体だと多くの人が持っており、それなりにレベルが高くないと差別化が
図りづらいものでも、他のスキルとの組み合わせによって、希少価値をアップさせ、差別化を図ることが
できるというものです。
一例を挙げるなら、『SAS×VBA、SAS×Azure、Oracle×SAS×Tableau、特定業界専門知識(業務知識)×SAS、
SAS×Python×機械学習知識、SAS×Java』などでしょうか。

③については、これも差別化という狙いは同じなのですが、職務経歴書などにはなかなか書きづらく、
一見するとスキルとは言いづらいが現場においては大事なものに注目して磨き上げるというものです。
一例を挙げるなら、『的確なレビュースキル、プロジェクトの関係者を上手く巻き込む力、
どんなタイプの人間とも問題なく対応できるコミュニケーション力』などでしょうか。

ということで①~③のいずれも共通しているキーワードは他者との差別化ですが、
ここで言いたいのは、自分のどのスキルに注目して伸ばしていくか、やり方次第では人よりズバ抜けて
優れたスキルがなくとも、自分の市場価値を高めることは可能なのではないかということです。
ただし、これには注意点もあり、あまり奇をてらいすぎてもダメで、ある程度ニーズがあるスキルで
差別化を図らないと「役に立たない専門知識」とか「個性的だがずれた人」になりかねないのと、
差別化を図るにしてもある程度基本スキル(最低限のIT知識、NIの場合SASプログラミングスキル)は
必要だという点です。
あくまで基本ができた上での差別化なので、やはり王道(基本)を避けて通るのは難しいと思います。

ゼネラリスト戦略 ~総合力で勝負~

中には「自分にはこれといったスキル、長所がないから」といった悩みを抱えている方もいるかと思いますが、
これはある意味<スペシャリスト戦略>につながる考え方が背景にあると言えます。
この戦略は特定スキルのレベルの高さによって市場価値を上げるというものですが、現実的に一つのスキル・
ジャンルでスペシャルなレベルまで磨き上げるのはなかなか難しいことでもあります。

これに対して、一つ一つのスキルレベルは標準程度だが、数多くのスキルを持つことで、
総合力の高さで市場価値を上げるのが<ゼネラリスト戦略>
です。
例えば、60点を合格最低水準のスキルレベル(特別優れてはいないが、劣っていることはない、及第点)と
仮定した場合、<スペシャリスト戦略>が一つのスキルに絞って90~100点を取りに行くものだとしたら、
<ゼネラリスト戦略>は60~70点のスキルを数多く身に付けるようなものです。
一見すると、60~70点というと微妙にも思えますが、特定分野で0点から90~100点レベルを目指すのは
相応の時間・労力が必要なのに対し、0点から60点を目指すのであればそこまでの労力はかかりません。
それに、最初から60点でいいと思えれば、心理的なハードルも下がります。
「60点でいいならやってみようかな」など。

また、営業的な観点からみても、強力なストロングポイントを持っているが致命的なウィークポイントも
ある人材は現実的には提案しづらいという面もあります。
例えば、「プログラミング力90点、統計解析力100点、コミュニケーション力20点」の人材がいた場合、
コミュニケーション力の部分がネックとなり提案を断念するとか、あるいは、誰かコミュニケーション力の低さを
補える人材との抱き合わせでの提案にするなど、営業の際に苦戦を強いられることもあります。
一方、「強力なストロングポイントはないが、多くの分野において平均して60~70点」の人材の場合、
致命的なウィークポイントがない分、対応できる案件内容(開発、運用、システム移行)やチーム内での役割
(リーダー、サブリーダー、中間メンバー、末端メンバー)もある程度幅があるため、営業的には意外と
提案しやすかったりもするのです。
ただし、ここで言う数多くの分野で60~70点というのは決して「広く浅く」ではなく「広く浅からず」なので、
なんだかんだで簡単ではなく、これまた相応の時間・労力がかかるとは思います。

ニーズ戦略 ~受け手目線で勝負~

これまで紹介してきた<差別化戦略>がライバルを主に意識したもの、
<ゼネラリスト戦略>がスキルバランスなど自分自身を主に意識したものに対し、
主にお客様などサービスの受け手を意識した<ニーズ戦略>というものもあります。

『ウォンツ(wants/自分のやりたいこと)より、ニーズ(needs/受け手の需要、要望)を重視すると
 結果は出やすい。』

人はどうしても自分のウォンツを優先して行動しがちで僕自身も例外ではありません。
僕がエンジニアになったばかりの20代の頃などは、受け手のニーズなどについては普段からほとんど
意識することはありませんでした。
「自分が興味があるからやる」「自分がやりたくないからやらない」といった具合に。
非常に自分に素直ではあるのですがw、結果につながっていたかというと答えはNOです。
そもそもエンジニアに限らず、我々社会人は誰かのニーズを満たすことで、その対価としてお金を
頂いているわけで、そのお金のおかげで日々の生活を送れているわけなので、受け手を意識しないというのは
本末転倒ですし、受け手を意識せずにいい仕事をするのはなかなか難しいと思います。

実際、常に受け手のニーズというのものを意識し、プログラムに限らず、コミュニケーションやドキュメントに
ついても、受け手への伝わりやすさ・わかりやすさを意識して日々の仕事に取り組み始めてから、
少しづつ評価や信頼獲得につながってきた実感もあります。
このように、評価や信頼を着実に積み重ね、少しづつ裁量を任されていく中で、どこかで自分のウォンツと
受け手のニーズが一致する仕事に携わる機会があれば、それはそれで悪くないんじゃないかと思います。
ただし、これも注意点があり、あくまで自分に無理のない範囲でやることです。受け手を重視するあまり、
自分を押し殺して過剰なストレスを抱え込んで心身の健康を崩してしまっては元も子もないので。

最後に

人それぞれ向き不向きがあると思うので、<ありのまま戦略>や<スペシャリスト戦略>が合う人は
全く問題ないと思いますし、各戦略を明確に区別するのではなく、自分に使えそうな部分だけ参考にする
といった各戦略のいいとこ取りの使い方もありだと思います。
また、市場価値というのは相対評価という面もあり、人それぞれ所属している業界・会社・チーム・景気など
環境によっても価値あるスキルは変わってくると思うので、そういった外的な要因も考慮しつつ
自分の適性も踏まえて無理のないスタイルを模索するのがよいのではないでしょうか。

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